ログハウスのUa値について八ヶ岳での施工例をもとに、3回にわたり実例数値などを紹介させていただきましたが、4回目の今日は、Ua値から少し外れたログハウスのお話をさせていただきますね。
前回までのブログでも紹介させていただきましたが、一般的な木造住宅の壁は、断熱された壁面に比べてガラス面による熱損失が大きくなるのですが、ランタサルミログハウスの場合は木製トリプルガラスサッシのU値1.09w/㎡kに対して、114㎜の厚みのログ壁のU値は1.05w/㎡kと、ほとんど熱貫流率の変わらない窓と壁の組み合わせになっています。
簡単に言いますと、壁面とガラス面の断熱性が同じくらいなんですね。
ただ、窓辺に建つと、やはりガラス面のほうが、日射を感じます。
熱貫流率が近いのに、日射による暖かさが違うのは不思議ですね。
その理由は、木材の性質の一つである「熱の伝わりにくさ」、木材の熱容量によるものです。
つまり、木材は、熱貫流率は大きいが、温まりにくい。
そして、一度温まると冷めにくいという性質を持っています。
このログ壁の性質は、断熱材を厚く入れて壁のU値を小さくした高性能住宅にも真似することが出来ません。
そういう意味では、すべてのログハウスオーナーさんは、すごい壁の中で暮らしているわけですが、ログハウスオーナーさんのログハウスへの評価は様々ですね。
「ログハウスは暖かい」という人もいれば「寒い」という人もいます。
夏の暑い日の、室内のヒンヤリとした感じや、冬の温まったログ壁に包まれた、なんとも言えない居心地の良さは、ログハウスからの贈物とも言えますが、この魅力は、木材以外の部分の性能が弱いと出てこない・・と言いますか、その性能がマイナスに働いてしまうこともあるからなんですね。
そういった意味では、一見ログハウスとは無縁に感じる省エネ基準Ua値は、その数値が、外皮熱貫流率の平均を表している分だけ、ログハウスの住み心地を測る数字として、一般の方にも、ある程度、入居後の温熱環境が、「読める」、数値ではないかと思います。
よく、「薪ストーブ一台あれば冬はあったかいですよ」なんて言葉を聞きますが、薪ストーブ一台あれば、プレハブにシングルガラスの窓でも暖かいわけですから、そこから「読める」、温熱環境とは大きく違います。
ただ、私たちが目指しているのは、単に断熱された住まいではなく、ちょうど今の季節の森の中にいるような室内環境で一年間を過ごしたいわけで、それを比較的容易に作ることが出来るのがログハウスと言え、そんなログハウスの住み心地を一般住宅に応用したのがランタシードになります。
ですから、ご検討中のお客様に、「ランタサルミとランタシードでは、どちらがお勧めですか?」と尋ねられると、いつも困ってしまいます(笑)
今回のUa値シリーズブログはこれで終わりになりますが、あまり表に出てこないログハウスのUa値のお話は、参考になりましたでしょうか。
ちなみに弊社では、断熱地域区分3地域の中でも、特に夏と冬の寒暖差の大きい八ヶ岳エリアで、住み心地の良い住まいづくりに取り組んでいます。
ご紹介しました実例による,ランタサルミ&ランタシード弊社施工例のUa値は、どの地域でも自信を持ってお勧めできますので、ぜひ参考にしていただき、木の家からの贈物を、ご家族で、たっぷりと受け取ってくださいね!
住まいの温熱環境を整えると、住まいが住まい手を幸せにしてくれるのがわかると思います!!
というわけで、長くなってしまいましたが、ログハウスのUa値については、ひとまず終わりとさせていただきます。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。