空間に、呼吸を与える。
建築とは、光と影のバランスを探る行為だと思う。
吹き抜けは、ただの空間ではない。
そこに光が落ち、風が通り、人の時間が流れていく。
リビングの横を上がる階段は、日常の中の彫刻のようなものだ。
上へと続く動線が、暮らしに緊張感とリズムを与え
機能を超えたところに、美しさが生まれる。
二階の寝室には、両開きのテラスドアを設けた。
季節の風が入り、朝の光が射す。
自然とともに生きる感覚を、感じることができる。
建築は、自然に抗うのではなく、対話するものだ。
その中に人の暮らしを置くことで、空間ははじめて生きはじめる。
この家もまた、その対話のひとつの答えである。
