光と景色が主役になる邸宅
「景色の中に建てる」のではなく、“景色と一体化するために建てる”。
そんな思想から生まれた邸宅が完成しました。
ランタサルミFOCUSシリーズ「ヤルヴィラ」の空気感を受け継ぎながら、
よりコンパクトに、より土地との関係性を濃く設計した一棟です。
大開口のガラス面、水平ラインを強調した北欧モダンのフォルム、
建築・庭・駐車場までを一体でデザインした構成。
ただ住むためではなく、
「この場所でどう過ごしたいか」から逆算してつくられた住まいです。
1. “この建物が成立する土地”を探すところから始まった計画
この住まいの中心にあるのは、全面ガラス張りの大開口です。
だからこそ重要だったのは、建物そのものではなく土地との関係でした。
視線を遮らず、自然を取り込みながらも、
しっかりとプライベート感を確保できること。
建築と景色、その両方が成立しなければ、
この住まいの魅力は完成しません。
「好きなデザインの家を建てる」のではなく、
“その建築が最も美しく成立する場所を探す”。
土地探しから設計思想が始まったプロジェクトです。
2. 壁を減らし、景色を住まいの一部にする
本来、壁になるはずだった場所を大開口へ。
視覚的な抜けを優先し、
室内と外部の境界をできる限り曖昧に設計しています。
吹き抜けによって1Fと2Fが立体的につながり、
大空間の中にさらに大開口が広がる構成。
時間帯によって変化する光、空、木々の揺らぎまでが、
インテリアの一部のように感じられる空間です。
単に「窓が大きい家」ではなく、
自然環境そのものを暮らしへ取り込むための建築になっています。
3. 人が自然と集まる“中央空間”という考え方
建物の両サイド上下にはプライベートルームを配置し、
中央には人が自然と集まるオープンスペースを設けました。
家族が過ごす場所であり、
ゲストを迎える場所でもある中心空間。
吹き抜けによる上下のつながりが、
人数以上の広がりと一体感を生み出しています。
閉じる場所と、開く場所。
そのメリハリを丁寧につくることで、
開放的でありながら落ち着きのある住まいを実現しました。
4. 建築・駐車場・テラスを“一連のデザイン”としてつなぐ
この建物の特徴は、建築単体で完結していないことです。
駐車スペースは建物と一体化したデザインとし、
水平ラインを連続させることで、
北欧モダンらしいシャープな印象を強調しています。
さらに正面のウッドテラスから3段の階段へと連続的につながることで、
建物全体にリズムと奥行きを与えています。
家の前に立った瞬間から、
空間体験が始まる設計です。
外構を“後から整えるもの”ではなく、
建築と同時にデザインすることで、
住まい全体の完成度を高めています。
5. 庭まで含めて、“非日常を暮らす”ための住まい
庭の芝生スペースは、単なる外構ではありません。
もうひとつのリビングとして使えるアウトドア空間です。
テラスで過ごす時間、
景色を眺めながらコーヒーを飲む朝、
人を招いて語り合う夜。
この住まいは、部屋数や性能だけでは測れない、
「そこでどんな時間を過ごせるか」を大切に設計されています。
景色、土地、建築。
そのすべての条件が重なった時にだけ成立する、
特別な一棟です。
今回の計画は、FOCUSシリーズ「ヤルヴィラ」の世界観を、
よりコンパクトなスケールで実現したいというご要望から始まりました。
ただ小さくするのではなく、
この建築の魅力である“大開口と景色の関係性”をどう成立させるか。
そのためには、建物だけではなく、
土地条件も含めて考える必要がありました。
建築は単体で完成するものではなく、
周囲の環境や、そこで過ごす時間まで含めて設計するもの。
この住まいは、その考え方を非常に象徴する一棟になったと思います。
